2026年の大学入試に向けて、具体的な日程やスケジュールの全体像が気になっている受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
近年の大学入試は多様化しており、正確な情報を早めに把握しておくことが合格への第一歩となります。
この記事では、2026年大学入試日程を軸に、国立大学と私立大学の動向、そして大学入学共通テストから2次試験日程までの流れを分かりやすく解説します。
大学入試日程一覧をはじめ、前期試験の詳細や、共通テストカウントダウンを意識した準備のポイントまで、受験計画に役立つ情報をお届けします。
<記事のポイント>
・2026年度入試の全体スケジュール
・国公立と私立大学の日程の違い
・共通テストから二次試験までの流れ
・推薦・総合型選抜の主な時期
2026年大学入試日程の全体像を解説

- 最初に確認すべき大学入試日程一覧
- 重要な共通テスト2026日程
- 意識したい共通テストカウントダウン
- 国立大学の基本的な入試の流れ
- 私立大学の基本的な入試の流れ
最初に確認すべき大学入試日程一覧
2026年度の大学入試は、多くの選抜方式が複雑に絡み合って進行します。まずは、年間を通じた主要な日程の全体像を把握することが、計画的な受験対策の基本です。ここでは、一般選抜を中心に、国公立大学と私立大学の主なスケジュールを一覧表にまとめました。
この表を見ることで、いつ、どのようなイベントがあるのかという大きな流れを掴むことができます。
時期 | 国公立大学の主な動き | 私立大学の主な動き |
---|---|---|
2025年9月~ | 総合型選抜 出願開始 | 総合型選抜 出願開始 |
2025年11月~ | 学校推薦型選抜 出願開始 | 学校推薦型選抜 出願開始 |
2026年1月17日・18日 | 大学入学共通テスト | |
2026年1月下旬~ | 二次試験(個別試験) 出願受付開始 (1月26日~2月4日) | 一般選抜(独自試験) 開始 |
2026年2月25日~ | 二次試験 前期日程 | 一般選抜 ピーク |
2026年3月上旬 | 前期日程 合格発表 | 一般選抜 合格発表 |
2026年3月12日~ | 二次試験 後期日程 | 後期日程(大学による) |
ポイント
国公立大学の一般選抜は、共通テスト後に一斉に出願が始まりますが、私立大学は共通テスト前から出願が始まり、1月下旬から入試本番がスタートします。このスケジュールの違いを理解しておくことが、併願校選びの鍵となります。
(参照:一般社団法人国立大学協会)
共通テストの日程
国公立大学の一般選抜を受験するすべての生徒にとって、そして多くの私立大学志望者にとっても避けては通れないのが大学入学共通テストです。このテストの結果が、その後の出願戦略に大きく影響します。
試験実施日
2026年(令和8年)度の共通テスト本試験は、以下の2日間で実施される予定です。
- 本試験日:2026年1月17日(土)・18日(日)
この日程は、例年通り1月の第3土曜日・日曜日に設定されています。受験生はこの日に向けて、学習計画の最終調整を行う必要があります。
追試験について
やむを得ない事情で本試験が受験できなかった受験生のために、追試験も設定されます。例年の傾向から、本試験の約1週間後に実施されることが多いです。ただし、追試験の受験には厳格な条件があるため、まずは本試験で全力を出せるよう体調管理を徹底しましょう。
出願期間
共通テストを受験するためには、事前の出願手続きが必須です。現役生は学校経由で、既卒生は個人で出願するのが一般的です。
- 出願期間(参考):2025年9月下旬~10月上旬
2026年度の正確な期間は大学入試センターからの発表を待つ必要がありますが、例年この時期に設定されています。出願手続きは意外と複雑な部分もあるため、早めに準備を始め、書類に不備がないように注意深く進めることが大切です。
(参照:独立行政法人大学入試センター)
共通テストのカウントダウン
共通テストの日程が分かると、そこから逆算して「何を」「いつまでに」やるべきかが見えてきます。つまり、共通テストまでのカウントダウンを意識した学習計画が、合格の可能性を大きく左右するのです。
ここでは、残りの期間を最大限に活用するための、時期ごとの学習ポイントを解説します。
「まだ時間はたっぷりある」と思っていると、あっという間に時間は過ぎてしまいます。特に高校3年生の1年間は、学校行事や模試などで想像以上に忙しいものです。「いつかやろう」ではなく、「今日から始める」という意識が大切ですよ。
高校3年生の夏休みまで
この時期の最優先課題は、全教科の基礎固めです。特に苦手科目や、配点の高い主要教科の基礎を徹底的に復習し、穴をなくすことに集中しましょう。応用問題に取り組むのは、しっかりとした土台ができてからです。夏休みはまとまった学習時間を確保できる最後のチャンスと考え、計画的に学習を進める必要があります。
秋から冬(9月~12月)
夏までに固めた基礎知識を元に、いよいよ実践的な演習に入ります。この時期のポイントは2つあります。
- 共通テストの過去問・予想問題演習
- 志望校の過去問研究
共通テスト形式の問題に慣れ、時間配分の感覚を掴むことが重要です。また、同時に二次試験で必要となる記述力や思考力を養うために、志望校の過去問にも少しずつ触れていきましょう。自分の弱点を分析し、克服するための学習に時間を割くことが求められます。
注意点
この時期は模試の結果に一喜一憂しがちですが、大切なのは結果そのものではなく、「どこを間違えたのか」「なぜ間違えたのか」を分析し、次の学習に活かすことです。模試は自分の現在地を知るためのツールと割り切り、冷静に復習を行いましょう。
国立大学の基本的な入試の流れ
国立大学の入試は、多くの大学で共通した流れに沿って実施されます。その基本構造を理解しておくことは、受験戦略を立てる上で非常に重要です。
結論から言うと、国立大学の一般選抜は「共通テスト」と「二次試験(個別学力検査)」の2段階で合否が判定されるのが大きな特徴です。
まず、第1次試験として全員が大学入学共通テストを受験します。そして、その自己採点結果をもとに、受験生は出願する大学を決定します。各大学は志願者に対して、第2次試験である個別の学力検査を実施し、共通テストと二次試験の合計点で最終的な合否を決定します。
分離分割方式とは?
国立大学の二次試験は、主に「前期日程」と「後期日程」に分けて実施されます。これを分離分割方式と呼びます。受験生は前期と後期でそれぞれ1校ずつ、最大2つの国立大学に出願できます。
ただし、前期日程で合格し入学手続きを行うと、後期日程の受験資格は失われます。募集人員の多くは前期日程に割り当てられているため、第一志望校は前期日程で受験するのが一般的です。
この仕組みから、国立大学を目指す場合は、共通テストで高得点を取ることが二次試験への挑戦権を得るための第一関門となり、二次試験で合格点を取るための専門的な対策が第二関門となる、二段構えの対策が必要になります。
私立大学の基本的な入試の流れ
私立大学の入試は、国立大学とは異なり、非常に多様で複雑なのが特徴です。各大学・学部が独自の基準で様々な選抜方式を実施しているため、志望校に合わせた情報収集が欠かせません。
私立大学の入試方式は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
1. 一般選抜
学力試験を中心に合否を判定する、最も一般的な入試方式です。これにはさらにいくつかの種類があります。
- 独自試験型:大学が独自に作成する問題で選抜します。「個別日程」や「全学部日程」などがあります。
- 共通テスト利用型:大学入学共通テストの成績のみで合否を判定します。大学独自の試験はありません。
- 共通テスト併用型:共通テストの成績と、大学独自の試験の成績を組み合わせて合否を判定します。
一般選抜は1月下旬から始まり、2月上旬から中旬にかけてが入試のピークとなります。
2. 学校推薦型選抜
出身高校長の推薦に基づき、調査書、小論文、面接などで評価される選抜方式です。出願は11月以降に開始されます。
3. 総合型選抜
学力だけでなく、受験生の個性や意欲、活動実績などを多角的に評価する選抜方式です。9月以降、比較的早い時期から出願が始まります。
必ず募集要項を確認
前述の通り、私立大学の入試日程や選抜方法は大学・学部によって大きく異なります。同じ大学内でも、学部や学科が違えば日程が異なることも珍しくありません。少しでも興味のある大学については、必ず公式ウェブサイトで最新の入試要項(募集要項)を確認する習慣をつけましょう。
詳細な2026年大学入試の日程と注意点

- 国公立大学の前期日程はいつから?
- 国公立の2次試験日程と出願期間
- 学校推薦型・総合型選抜の日程
- 併願校のスケジュール管理のコツ
国公立大学の前期日程はいつから?
国公立大学の一般選抜において、最も募集人員が多く、受験生にとって本命となるのが前期日程です。第一志望校の合格を勝ち取るためには、この前期日程のスケジュールを正確に把握し、万全の態勢で臨む必要があります。
2026年度の前期日程は、例年通り2月下旬に設定されています。
前期日程の主要スケジュール
- 試験日:2026年2月25日(火)から 多くの大学ではこの日に試験が実施されますが、学部によっては26日にも試験が行われる2日間の日程となる場合があります。
- 合格発表:2026年3月6日(木)~3月10日(月) 合格発表の日時は大学によって異なります。この期間に、各大学のウェブサイトやキャンパス内の掲示で発表が行われます。
- 入学手続締切:2026年3月15日(土) 合格した受験生は、この日までに定められた入学手続きを完了させる必要があります。手続きを怠ると入学資格を失うため、合格後のスケジュール管理も非常に重要です。
ポイント
前期日程は、多くの受験生にとって絶対に失敗できない「天王山」です。試験日から逆算し、二次試験の過去問対策に十分な時間を確保できるような学習計画を立てることが不可欠です。特に、直前期は体調管理にも細心の注意を払い、ベストコンディションで試験当日を迎えられるようにしましょう。
国公立の2次試験日程と出願期間
国公立大学の二次試験(個別学力検査)は、前期日程だけでなく後期日程も存在します。これらの試験を受けるためには、共通テスト後に行われる出願手続きを正確に行わなければなりません。
ここでは、出願期間と後期日程、そして注意すべき「二段階選抜」について解説します。
出願期間
国公立大学の二次試験の出願は、前期・後期(および中期)の日程をまとめて、以下の期間に一斉に行われます。
- 出願受付期間:2026年1月26日(月)~2月4日(水)
受験生は共通テストの自己採点結果と、予備校などが発表するボーダーラインを参考に、この短期間で出願する大学を最終決定する必要があります。非常に重要な判断が求められる時期です。
後期日程
前期日程で不合格だった場合や、前期日程に出願しなかった受験生にとっての再チャレンジの機会が後期日程です。
- 試験日:2026年3月12日(木)以降
- 合格発表:2026年3月20日(金)~3月24日(火)
近年、後期日程の募集を停止したり、募集人員を削減したりする大学が増加傾向にあります。そのため、後期日程は前期日程に比べて選択肢が少なく、より厳しい戦いになることを覚悟しておく必要があります。
二段階選抜(足切り)
志願者数が募集人員を大幅に超えた場合に、大学が二次試験の前に共通テストの成績で受験者を絞り込む制度が「二段階選抜」、いわゆる「足切り」です。
医学部や難関大学で実施されることが多く、基準点に達しないと二次試験を受けることすらできません。志望校が二段階選抜を実施するかどうか、実施する場合はその条件を募集要項で必ず確認しておきましょう。
学校推薦型・総合型選抜の日程
一般選抜と並行して、年内に合格が決まる可能性のある「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」も、現在の大学入試における重要な選択肢です。これらの選抜方式は、一般選抜よりも早い時期にスケジュールが進行します。
早期に進路を決定したい受験生は、これらの日程を念頭に置いた準備が必要です。
総合型選抜(旧AO入試)
受験生の意欲や個性、能力などを書類審査や面接、小論文などで多角的に評価する方式です。スケジュールは大学によって様々ですが、一般的な流れは以下の通りです。
- 出願期間:9月1日以降
- 選考・合格発表:10月~12月頃が中心
夏休み前から志望理由書の作成など、時間をかけた準備が求められます。
学校推薦型選抜
出身高校長の推薦が必要な選抜方式で、学業成績(評定平均)が重視されることが多いです。指定校制と公募制の2種類があります。
- 出願期間:11月1日以降
- 選考・合格発表:11月~12月頃が中心
国公立大学の場合
国公立大学の学校推薦型・総合型選抜では、選考にあたって大学入学共通テストの成績を課す場合があります。その場合の最終的な合格発表は、共通テスト後の2月上旬になることが一般的です。共通テスト対策も必要になるため、注意が必要です。
これらの「年内入試」は、一般選抜との両立が大変な側面もあります。しかし、自分の強みや活動実績をアピールできる絶好の機会でもあります。学校の先生や塾の講師とよく相談し、自分に合った選抜方式かどうかを慎重に検討してみてください。
併願校のスケジュール管理のコツ
大学受験では、第一志望校に加えて、複数の併願校を受験するのが一般的です。しかし、やみくもに出願数を増やすと、スケジュールが過密になり、かえって合格の可能性を下げてしまう危険性があります。
併願校のスケジュールは「第一志望校の合格」を最優先に考え、戦略的に組むことが重要です。
その理由は、受験が体力と集中力を消耗する長期戦だからです。連日の試験は心身に大きな負担をかけ、本命の試験で実力を発揮できなくなることにも繋がりかねません。ここでは、上手なスケジュール管理のコツを3つ紹介します。
1. 第一志望校の試験直前は空ける
最も重要な第一志望校の試験前日はもちろん、できれば2~3日前は他の大学の試験を入れず、最終確認や体調管理に充てる時間を確保しましょう。心に余裕を持つことが、本番でのパフォーマンス向上に繋がります。
2. 連続での受験は避ける
移動時間や試験時間、そして精神的な緊張を考えると、連日の受験は想像以上に疲弊します。やむを得ない場合を除き、試験が3日以上連続することは避けるのが賢明です。間に一日でも休息日を挟むことで、頭をリフレッシュさせることができます。
3. 入学手続締切日を必ず確認する
見落としがちなのが、合格後の入学手続締切日です。特に、本命の合格発表前に、併願校の入学金支払締切日が来てしまうケースは少なくありません。どの大学にいつまでに入学金を納める必要があるのかを一覧表などにまとめ、保護者の方と事前に資金計画を話し合っておくことが非常に大切です。
ポイント
併願校は、「挑戦校(チャレンジ校)」「実力相応校」「安全校(滑り止め)」の3つのレベルでバランス良く組み合わせることがセオリーです。自分の学力と各大学の日程を照らし合わせ、最適なポートフォリオを組んでいきましょう。
2026年大学入試日程のポイント整理

- 2026年の共通テスト本試験は1月17日と18日に実施
- 共通テストの出願は2025年の秋頃に行われる見込み
- 国公立大学の二次試験出願は1月26日から2月4日まで
- 国公立の前期日程は2月25日から試験開始
- 国公立の前期合格発表は3月6日から10日の間
- 前期日程の入学手続締切は3月15日
- 国公立の後期日程は3月12日以降に試験開始
- 私立大学の一般選抜は1月下旬から本格的にスタート
- 私立大学入試のピークは2月上旬から中旬
- 総合型選抜は9月以降に出願が始まる
- 学校推薦型選抜は11月以降に出願が始まる
- 併願校選びは第一志望校のスケジュールを最優先する
- 入学手続締切日と入学金の支払い計画も重要
- 詳細は必ず各大学の公式募集要項で確認する
- 早期からの情報収集と計画的な学習が合格の鍵
・2026年共通テストの日程はいつ?出願から試験日のカウントダウンまで解説
コメント