2026年は何どしか気になっていませんか?この記事では、60年に一度だけ巡ってくる特別な干支、丙午(ひのえうま)について、その意味や由来、そして古くから伝わる迷信まで、あらゆる角度から深く掘り下げて解説します。
午年生まれの人の性格や特徴はもちろん、なぜ丙午が特別視されるのか、その背景にある歴史的な物語にも光を当てます。
さらに、ご自身の干支の調べ方や、便利な干支の年齢早見表、干支一覧の見方、干支の順番、そして翌年である2027年の干支についてもご紹介。
この記事を読めば、2026年の干支に関するあらゆる疑問が解消され、日本の文化への理解も一層深まることでしょう。
<記事のポイント>
・2026年の干支は「丙午(ひのえうま)」
・60年に一度訪れる特別な干支
・丙午生まれの性格や迷信を解説
・干支の順番や年齢早見表も紹介
2026年は何どし?丙午(ひのえうま)を解説

- 干支の順番と基本的な決まり方
- 十二支と十干が分かる干支一覧
- 便利な干支の年齢早見表の活用法
- 自分の干支の調べ方は生年月日から
- 2027年の干支は丁未(ひのとひつじ)
干支の順番と基本的な決まり方
2026年の干支を深く理解するために、まずは「干支(えと)」の基本的な仕組みからお話しします。
多くの方が「干支」と聞いて思い浮かべるのは、子・丑・寅・卯…と続く12種類の動物でしょう。しかし、これは正確には「十二支(じゅうにし)」と呼ばれる、暦や方角を示すための要素です。
本来の「干支」とは、この十二支と、「十干(じっかん)」と呼ばれる10種類の要素を組み合わせたものを指します。
十干は、古代中国の思想に基づいており、万物を構成する要素とされ、私たちの生活にも深く関わってきました。具体的には以下の10種類から成り立っています。
- 甲(きのえ)
- 乙(きのと)
- 丙(ひのえ)
- 丁(ひのと)
- 戊(つちのえ)
- 己(つちのと)
- 庚(かのえ)
- 辛(かのと)
- 壬(みずのえ)
- 癸(みずのと)
干支の周期はなぜ60年?
十干は10種類、十二支は12種類あります。この2つを順番に組み合わせていくと、10と12の最小公倍数である60通り目で一巡します。つまり、干支は全部で60種類存在するのです。
このため、自分が生まれた年とまったく同じ干支が再び巡ってくるのは60年後となります。60歳のお祝いを「還暦(かんれき)」と呼ぶのは、「暦が還(かえ)る」という、この干支の仕組みに由来しているのです。
このルールに従い、2026年の干支は、十干の3番目である「丙(ひのえ)」と、十二支の7番目である「午(うま)」が組み合わさった「丙午」となります。
毎年異なる十干と十二支が巡ってくることで、その年の性質や運勢が占われてきました。
十二支と十干が分かる干支一覧
干支は全部で60種類存在しますが、そのすべてを覚えるのは大変です。しかし、一覧表があれば、ご自身の生まれた年や、歴史上の出来事が起こった年の干支を簡単に確認することができます。
ご自身の干支の正式名称を知ることで、自己理解を深めるきっかけになるかもしれません。
以下の表は、60種類すべての干支とその読み方をまとめたものです。
番号 | 干支 | 読み方 | 番号 | 干支 | 読み方 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 甲子 | きのえね | 31 | 甲午 | きのえうま |
2 | 乙丑 | きのとうし | 32 | 乙未 | きのとひつじ |
3 | 丙寅 | ひのえとら | 33 | 丙申 | ひのえさる |
4 | 丁卯 | ひのとう | 34 | 丁酉 | ひのととり |
5 | 戊辰 | つちのえたつ | 35 | 戊戌 | つちのえいぬ |
6 | 己巳 | つちのとみ | 36 | 己亥 | つちのとい |
7 | 庚午 | かのえうま | 37 | 庚子 | かのえね |
8 | 辛未 | かのとひつじ | 38 | 辛丑 | かのとうし |
9 | 壬申 | みずのえさる | 39 | 壬寅 | みずのえとら |
10 | 癸酉 | みずのととり | 40 | 癸卯 | みずのとう |
11 | 甲戌 | きのえいぬ | 41 | 甲辰 | きのえたつ |
12 | 乙亥 | きのとい | 42 | 乙巳 | きのとみ |
13 | 丙子 | ひのえね | 43 | 丙午 | ひのえうま |
14 | 丁丑 | ひのとうし | 44 | 丁未 | ひのとひつじ |
15 | 戊寅 | つちのえとら | 45 | 戊申 | つちのえさる |
16 | 己卯 | つちのとう | 46 | 己酉 | つちのととり |
17 | 庚辰 | かのえたつ | 47 | 庚戌 | かのえいぬ |
18 | 辛巳 | かのとみ | 48 | 辛亥 | かのとい |
19 | 壬午 | みずのえうま | 49 | 壬子 | みずのえね |
20 | 癸未 | みずのとひつじ | 50 | 癸丑 | みずのとうし |
21 | 甲申 | きのえさる | 51 | 甲寅 | きのえとら |
22 | 乙酉 | きのととり | 52 | 乙卯 | きのとう |
23 | 丙戌 | ひのえいぬ | 53 | 丙辰 | ひのえたつ |
24 | 丁亥 | ひのとい | 54 | 丁巳 | ひのとみ |
25 | 戊子 | つちのえね | 55 | 戊午 | つちのえうま |
26 | 己丑 | つちのとうし | 56 | 己未 | つちのとひつじ |
27 | 庚寅 | かのえとら | 57 | 庚申 | かのえさる |
28 | 辛卯 | かのとう | 58 | 辛酉 | かのととり |
29 | 壬辰 | みずのえたつ | 59 | 壬戌 | みずのえいぬ |
30 | 癸巳 | みずのとみ | 60 | 癸亥 | みずのとい |
2026年の「丙午」は、この一覧表で43番目に当たります。60種類もあると聞くと複雑に感じますが、こうして一覧で見ると、規則正しく巡っていることがよく分かります。
便利な干支の年齢早見表の活用法
「自分の干支は知っているけれど、正式な十干との組み合わせは分からない」「家族や有名人の生まれた年の干支を手軽に知りたい」。
このような時に、干支と年齢の早見表は大変役立ちます。西暦や和暦から、その年に生まれた人の現在の年齢と干支が一目でわかるように作られています。
以下の表で、生まれ年(西暦・和暦)と現在の年齢、そして干支の対応をご確認ください。年齢は2025年7月時点での満年齢を記載しています。
生まれ年 (西暦) | 生まれ年 (和暦) | 満年齢 (2025年7月時点) | 干支 |
---|---|---|---|
2026年 | 令和8年 | – | 丙午 (ひのえうま) |
2025年 | 令和7年 | 0歳 | 乙巳 (きのとみ) |
2024年 | 令和6年 | 1歳 | 甲辰 (きのえたつ) |
2014年 | 平成26年 | 11歳 | 甲午 (きのえうま) |
2002年 | 平成14年 | 23歳 | 壬午 (みずのえうま) |
1990年 | 平成2年 | 35歳 | 庚午 (かのえうま) |
1978年 | 昭和53年 | 47歳 | 戊午 (つちのえうま) |
1966年 | 昭和41年 | 59歳 | 丙午 (ひのえうま) |
1954年 | 昭和29年 | 71歳 | 甲午 (きのえうま) |
1942年 | 昭和17年 | 83歳 | 壬午 (みずのえうま) |
1930年 | 昭和5年 | 95歳 | 庚午 (かのえうま) |
1918年 | 大正7年 | 107歳 | 戊午 (つちのえうま) |
1906年 | 明治39年 | 119歳 | 丙午 (ひのえうま) |
この表の活用方法は様々です。例えば、前回と前々回の丙午がそれぞれ1966年、1906年であったことや、1966年生まれの方が2026年に還暦(60歳)を迎えることなどが直感的に理解できます。
履歴書の作成時や、年齢の話題が出た際に非常に便利です。
自分の干支の調べ方は生年月日から
ご自身の正式な干支を調べる方法は、これまでご紹介した「干支の年齢早見表」を使うのが最も簡単で確実です。
ご自身の生まれた年(西暦または和暦)をリストから見つけるだけで、対応する干支がすぐに判明します。
ほとんどの場合、年賀状や日常会話で使うのは十二支(ね、うし、とら…)だけで十分ですが、十干を含めた正式な干支を知ることで、ご自身が生まれた年の持つエネルギーや意味合いについて、より深く知るきっかけになるかもしれません。
旧暦と節分の注意点
占いや運勢の世界では、一年の始まりを元旦ではなく「立春(りっしゅん)」(2月4日頃)とすることがあります。
そのため、1月1日から2月3日頃までに生まれた方は、前年の干支として扱われる場合があります。ご自身の正確な干支を占いで見たい場合は、この点に注意が必要です。
とはいえ、一般的な干支の認識は西暦の区切りに基づいていますので、早見表で確認する方法で問題ありません。
2027年の干支は丁未(ひのとひつじ)
2026年の丙午(ひのえうま)の翌年、2027年の干支は「丁未(ひのとひつじ)」となります。
これは、十二支が「午」の次である「未(ひつじ)」へ、十干が「丙」の次である「丁(ひのと)」へと、それぞれ一つずつ進むためです。このように、干支は毎年決まった順番で規則正しく巡っていきます。
ちなみに、「丁(ひのと)」は陰陽五行で「火」の弟、つまり穏やかな火を象徴します。一方、「未(ひつじ)」は穏やかで平和を愛する動物とされています。
このことから、丁未の年は「内なる情熱を秘めつつも、表面的には穏やかな一年」と解釈されることもあるようです。年末年始の準備の際に、翌年の干支が持つ意味合いを少し調べてみるのも良いでしょう。
2026年は何どし?特別な意味と迷信

- 午年(うまどし)生まれの性格と特徴
- 丙午(ひのえうま)の迷信と八百屋お七
- 2026年に子供を産むことへの現代の見解
- 丙午と出生率に関する政府の答弁書
午年(うまどし)生まれの性格と特徴
2026年の十二支である「午(うま)」。では、午年生まれの人には、一般的にどのような性格や特徴が見られるのでしょうか。
もちろん、干支が性格の全てを決めるわけではありませんが、古くから語り継がれてきた興味深い人物像をご紹介します。
午年生まれの基本的な性格
午年生まれの最大の魅力は、馬が広大な大地を駆け抜ける姿を彷彿とさせる、そのエネルギッシュで陽気な性質にあると言えるでしょう。
頭の回転が速く、行動力に満ち溢れているため、新しいことへの挑戦を恐れません。また、華やかで社交的なため、自然と人の輪の中心にいることが多いようです。
【午年生まれの長所】
- 好奇心旺盛で行動力があり、リーダーシップを発揮する
- 陽気でユーモアがあり、誰とでもすぐに打ち解けられる
- 決断力と実行力に優れ、物事をスピーディーに進める
- 独立心が強く、若いうちから自分の力で道を切り開く
午年生まれの恋愛や仕事の傾向
仕事においては、その行動力と要領の良さから、プロジェクトの管理や営業職などで高い能力を発揮します。ただし、ルーティンワークや地道な作業は少し苦手かもしれません。
恋愛においては、情熱的で好きになったらストレートに想いを伝えます。駆け引きは苦手で、正直でオープンな関係を好む傾向があります。
注意すべき点やデメリット
一方で、その有り余るエネルギーが時には弱点となることも。せっかちで落ち着きがなく、物事を最後までやり遂げる前に興味が他へ移ってしまう「飽きっぽさ」が指摘されることもあります。
また、プライドが高く負けず嫌いな一面もあり、他人のアドバイスに素直に耳を傾けられなかったり、集団の和を乱してしまったりすることもあるようです。
丙午(ひのえうま)の迷信と八百屋お七
数ある干支の中でも、2026年の「丙午」はひときわ特別な、そして少し不吉なイメージで語られてきました。
その理由は、「丙午の年に生まれた女性は気性が激しく、夫の運を食い尽くす」という、科学的根拠のない迷信が江戸時代から根強く残っているためです。
なぜ、丙午だけがこれほどまでに忌み嫌われる迷信と結びついてしまったのでしょうか。その背景には、いくつかの歴史的・文化的な要因が複雑に絡み合っています。
陰陽五行思想の影響
前述の通り、十干の「丙」と十二支の「午」は、どちらも陰陽五行思想において最も強い「火」の性質(陽の火)を持つとされています。
「火」のエネルギーが重なることから、非常に活発で激しい気性を持つというイメージに繋がり、これが「気性が激しい」という迷信の土台になったと考えられています。
決定打となった「八百屋お七」の物語
この迷信を日本中に決定づけたのが、江戸時代前期に実際に起きたとされる「八百屋お七の放火事件」です。
江戸の大火で避難したお寺で出会った寺小姓に恋をした八百屋の娘「お七」。彼に会いたい一心で、「また火事が起きれば、再びお寺で一緒に過ごせる」と考え、自ら放火してしまいます。
結果、お七は捕らえられ、16歳という若さで火あぶりの刑に処されたと伝えられています。
この悲劇的な恋物語は、井原西鶴の『好色五人女』で取り上げられたのを皮切りに、庶民の娯楽であった浄瑠璃や歌舞伎の演目として繰り返し上演され、大ヒットしました。
この過程で、お七が「丙午の生まれだった」という設定が加えられ、物語とともに「丙午生まれの女性は恋に盲いて常軌を逸した行動に出る」という強烈なイメージが、迷信として全国に拡散してしまったのです。
繰り返しになりますが、これらはすべて後付けの物語であり、個人の性格や運命が生まれた年の干支によって左右されるという科学的・統計的な根拠は一切存在しません。
現代を生きる私たちは、こうした迷信に惑わされることなく、冷静な視点を持つことが重要です。
2026年に子供を産むことへの現代の見解
丙午の迷信は非科学的なものですが、過去には人々の行動、特に「出産」というライフイベントに深刻な影響を与えた歴史があります。
この事実を知ることは、現代社会が情報とどう向き合うべきかを考える上で非常に重要です。
最も象徴的な例が、直近の丙午であった1966年(昭和41年)のデータです。この年、日本の合計特殊出生率は1.58と、前年(1965年)の2.14、翌年(1967年)の2.23と比較して、約25%も落ち込むという異常事態が発生しました。
これは明らかに、迷信を信じた人々が妊娠や出産を意図的に避ける、いわゆる「産み控え」が全国規模で起こったことを示しています。
翻って2026年、私たちはどう考えるべきでしょうか?現代は、インターネットの普及により誰もが瞬時に情報へアクセスできる時代です。科学的な思考が重視され、個人の価値観も多様化しています。
そのため、丙午の迷信を真に受けて出産をためらう人は、1966年当時と比べてはるかに少なくなっていると考えられます。もし、ご親族などから心配されたとしても、「それは昔の迷信ですよ」と、この記事で得た知識を基に冷静に説明してあげることが大切です。
大切なのは、周囲の声や根拠のない情報に惑わされず、ご自身のライフプランをご自身の意思で決定することです。安心して2026年を迎え、新しい命を祝福できる社会であることが望まれます。
丙午と出生率に関する政府の答弁書
この丙午と出生率という特異なテーマは、単なる過去の迷信話にとどまらず、現代の人口政策を考える上でも無視できない論点として、近年国会でも議論されています。
2024年、立憲民主党の桜井周衆院議員が提出した質問主意書の中で、「政府は丙午に関する対策を講じる用意はあるか」と質しました。これに対し、政府は同年、答弁書を閣議決定しています。
その答弁書の中で、政府は、国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の将来推計人口」において、令和8年(2026年)の出生数の推計値に丙午による影響は織り込んでいないと明確に回答しました。
これは、政府の公式な見解として、現代において迷信が出生数に与える影響は統計的に有意なレベルではない、と判断していることを示しています。
しかし同時に、政府は「今後とも少子化対策として必要な対策を検討してまいりたい」とも付言しており、国民の意識や実際の出生動向を注意深く見守っていく姿勢も示唆しています。
(参照:産経新聞 令和8年は60年ぶりの丙午(ひのえうま) 産み控えに「必要な対策を検討」 政府答弁書)
この一連の動きは、丙午という文化的現象が、単なる迷信を超えて、現代日本の人口動態という大きな課題の中で、今なお無視できない一つの要素として認識されていることを物語っています。
60年前とは社会状況が大きく異なる今、私たちがどのような選択をするのか、静かに注目されています。
まとめ:2026年は何どし?
この記事では、2026年の干支である丙午(ひのえうま)について、基本的な知識からその特別な意味、歴史的背景、そして現代における考え方まで、幅広く解説しました。
最後に、本記事の重要なポイントをリスト形式でまとめます。
- 2026年の干支は「丙午(ひのえうま)」である
- 干支は「十干」と「十二支」の60通りの組み合わせで構成される
- 丙午は60年に一度だけ巡ってくる特別な干支
- 午年生まれの人は一般的に明るく行動的な性格とされる
- 丙午の年には気性の激しい女性が生まれるという迷信が存在する
- 迷信の由来は陰陽五行思想や八百屋お七の物語が影響している
- これらの迷信に科学的、統計的な根拠は一切ない
- 1966年の丙午の年には迷信による「産み控え」で出生数が激減した
- 現代では迷信の影響は限定的であると考えられている
- 2026年に子供を産むことについて過度に心配する必要はない
- 政府も公式な将来人口推計で丙午の影響を考慮していない
- 干支には還暦など日本の文化に根差した側面がある
- 自身の正確な干支は年齢早見表で簡単に調べることができる
- 翌年2027年の干支は「丁未(ひのとひつじ)」である
- 干支の知識はコミュニケーションのきっかけや文化理解に役立つ
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