「来年の冬はどれくらい寒くなるのだろう?」「2026年の夏はまた猛暑になるのか?」など、季節の気温は私たちの生活や計画に大きな影響を与えます。
特に近年の気候変動を肌で感じる中で、2026年の冬の気温予想や、来年の夏も暑いのかについて関心が高まっているのではないでしょうか。
この記事では、気象庁が発表するデータや気温の今後の見通しを基に、2026年の季節ごとの気温傾向を分析します。
<記事のポイント>
・2026年の冬はラニーニャ現象の影響で寒さが厳しくなる可能性
・気象庁の長期予報と確率で見る気温のシナリオ
・2026年の夏も猛暑傾向が続く見込みと地球温暖化の影響
・異常気象の現状と2050年に向けた未来の気温予測
2026年の冬と夏の気温【冬の予報】

- 2026年冬の気温予想をチェック
- 気象庁が発表する長期予報とは
- 結局は暖冬か厳冬か
- 雪予想は東北と関東でどう違う?
- 厳しい寒さはいつから暖かくなるのか
2026年冬の気温予想をチェック
2026年の冬の気温で、一つの鍵となるのが「ラニーニャ現象」の動向です。ラニーニャ現象が発生すると、冬の気温は全国的に平年より低くなる傾向があります。これは、太平洋赤道域の海水温が低下することで大気の流れが変わり、日本付近に寒気が流れ込みやすくなるためです。
現在の各国の気象機関の見解を総合すると、2025年の秋から冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性が指摘されています。このため、2026年の冬は、ここ数年の暖冬傾向から一転して、厳しい寒さに見舞われると考えられます。
ただし、これはあくまで現時点での予測であり、地球温暖化によるベース気温の上昇も考慮に入れる必要があります。以下の表で、考えられる状況を比較してみましょう。
| 上京 | 主な要因 | 予想される気温傾向 | 降雪への影響 |
|---|---|---|---|
| 厳冬 | ラニーニャ現象の発生 北極振動が負に振れる |
全国的に平年より低い 特に西日本で低温が顕著 |
日本海側で大雪のリスク増 関東でも降雪の可能性あり |
| 平年並み | ラニーニャ現象の影響が限定的 | 全国的に平年並み 寒暖の変動が大きい |
平年程度の降雪量 |
| 暖冬 | 地球温暖化の影響が強く出る 偏西風の蛇行 |
全国的に平年より高い 一時的な寒波はあり |
日本海側の降雪量は少ない傾向 関東の降雪機会も減少 |
このように、複数の要因が複雑に絡み合うため、一概に「厳冬になる」と断定はできません。しかし、厳しい寒さへの備えをしておく方が良いと言えるでしょう。
気象庁が発表する長期予報とは
気象庁が発表する「季節予報」には1か月予報、3か月予報、そしてより長期の暖候期予報・寒候期予報があります。
これらの予報は、過去のデータと比較して「平年より高い(多い)」「平年並み」「平年より低い(少ない)」となる確率で発表されるのが特徴です。
例えば、「気温が平年より高くなる確率60%」といった形で示されます。これは、断定的な予報ではなく、可能性の大きさを示すものだと理解することが重要です。
「平年値」とは?
天気予報で使われる「平年値」とは、西暦の1の位が1の年から続く30年間の平均値のことを指します。現在使われているのは1991年~2020年のデータで、この基準と比較して気温が高いか低いかを判断しています。(参照:気象庁「季節予報で用いる主な用語」)
気象庁の長期予報は、主に以下のような科学的根拠に基づいて作成されています。
- 大気と海洋のシミュレーション: スーパーコンピュータを用いた数値予報モデルで、未来の大気や海洋の状態を予測します。
- エルニーニョ/ラニーニャ現象: 太平洋赤道域の海水温の変動が、世界の天候に与える影響を分析します。
- 地球温暖化の傾向: 長期的な気温上昇トレンドを考慮に入れます。
これらの情報をもとに、総合的に判断して確率予報が発表されるのです。予報の精度は100%ではありませんが、科学的根拠に基づいた信頼性の高い情報として、冬の準備や計画を立てる上で非常に役立ちます。
結局は暖冬か厳冬か
「結局のところ、今年の冬は寒いのか?」という疑問に対して、現在の情報から言えることは「厳しい寒さになる可能性が例年より高い」ということです。
前述の通り、ラニーニャ現象の発生が見込まれることが最大の理由です。ラニーニャ現象が発生した冬は、日本付近では冬型の気圧配置(西高東低)が強まりやすくなります。これにより、大陸からの冷たい季節風が流れ込みやすくなり、全国的に気温が低下する傾向が見られます。
一方で、暖冬になる可能性もゼロではありません。地球温暖化の影響で、そもそも地球全体の平均気温が上昇しているため、昔ながらの「厳冬」にはなりにくくなっています。
一時的に強い寒波が来たとしても、長続きせずに暖かい日も訪れるなど、寒暖の差が激しい冬になることも想定されます。
2026年冬のポイント
- 基本傾向: 厳しい寒さになる可能性が高い。
- 主な要因: ラニーニャ現象の発生予測。
- 注意点: 温暖化の影響もあり、寒暖差の激しい冬になる可能性も。防寒対策は早めに準備するのがおすすめです。
結論として、暖冬を期待するよりは、しっかりと防寒対策や大雪への備えを意識しておくべき冬と言えます。
雪予想は東北と関東でどう違う?
冬の厳しさを示すもう一つの指標が「雪」です。2026年の冬が寒くなる場合、降雪量も気になりますが、雪の降り方は地域によってメカニズムが大きく異なります。
東北地方の雪
東北地方の雪は、主に日本海側と太平洋側で特徴が分かれます。
日本海側(秋田、山形など):
冬型の気圧配置が強まると、シベリアからの冷たく乾燥した空気が、比較的暖かい日本海の上で水蒸気を大量に補給します。これが雪雲となって発達し、奥羽山脈にぶつかることで豪雪をもたらします。厳冬の年は、このパターンが頻繁に起こるため、記録的な大雪になるリスクが高まります。
太平洋側(岩手、宮城など):
奥羽山脈が壁となり、冬型の気圧配置では乾燥した晴天の日が多くなります。しかし、太平洋側で低気圧が発達しながら通過する「南岸低気圧」が接近すると、湿った空気が引き込まれて大雪になることがあります。
関東地方の雪
関東地方の雪は、そのほとんどが「南岸低気圧」によってもたらされます。
日本の南岸を進む低気圧が、関東に冷たい空気を引き込むタイミングと、湿った空気を供給するタイミングが重なると、平野部でも大雪となります。気温が1℃違うだけで雨か雪かが変わるため、非常に予測が難しいのが特徴です。
2026年の冬が厳冬傾向となる場合、関東地方の上空にも寒気が居座りやすくなります。そのため、南岸低気圧が通過する際に、例年よりも雪になりやすい条件が整うと考えられます。交通機関の麻痺などに備え、天気予報をこまめに確認することが重要です。
厳しい寒さはいつまで?暖かくなるのはいつから?
厳しい冬が予想されると、気になるのが「春の訪れ」です。一般的に、日本の冬の寒さのピークは1月下旬から2月上旬にかけてとなります。
「いつから暖かくなるか」の目安としては、いくつかの気象現象が参考になります。
- 立春(2月4日頃): 暦の上では春が始まりますが、実際にはまだ寒さが厳しい時期です。ここから少しずつ日差しが力強くなっていきます。
- 春一番: 立春から春分の間に、その年初めて吹く南寄りの強い風のことです。春一番が吹くと、気温が急上昇し、春の訪れを実感させます。
- 三寒四温: 寒い日が3日続くと、次の4日は暖かい日が続くというように、周期的に寒暖を繰り返しながら、次第に春に向かっていく様子を表す言葉です。2月下旬から3月にかけて、このような気候パターンが多くなります。
2026年の冬が厳冬であった場合でも、3月に入ると徐々に寒さは和らぎ、中旬から下旬にかけては春らしい陽気を感じられる日が増えてくるでしょう。
ただし、春先は気温の変動が非常に大きいため、冬物のコートが手放せない日もあれば、急に暖かくなる日もあります。服装の調整や体調管理には十分な注意が必要です。
2026年の冬と夏の気温【夏の予報】

- 2026年夏の気温予想のポイント
- 来年の夏も暑いのか2026年の傾向
- 気温の今後の見通しと長期予測
- 異常気象は世界の終わりではない?
- 2050年の夏の気温は47度になる?
2026年夏の気温予想のポイント
冬の寒さの次は、夏の暑さが気になります。結論から言うと、2026年の夏も全国的に平年より気温が高く、厳しい暑さになる可能性が高いと予測されています。
その背景には、複数の要因が考えられます。
- ラニーニャ現象後の夏の傾向:
冬にラニーニャ現象が発生した場合、その影響が夏まで続くことがあります。ラニーニャ現象時の夏は、太平洋高気圧が日本付近で北への張り出しを強める傾向があり、猛暑になりやすいとされています。 - 2つの高気圧:
日本の夏を暑くする「太平洋高気圧」と、上空の「チベット高気圧」が共に日本付近で勢力を強め、重なり合うように張り出すと、いわゆる”二階建て”の高気圧となり、記録的な猛暑をもたらします。近年、このパターンが増加しています。 - 地球温暖化の影響:
最も根本的な要因として、地球温暖化によるベース気温の上昇があります。これにより、「平年並み」の気温自体が昔に比べて高くなっており、猛暑日(最高気温35℃以上)が観測されやすくなっています。
熱中症への厳重な警戒が必要
猛暑が予想される夏は、熱中症のリスクが非常に高まります。特に高齢者や子どもは注意が必要です。こまめな水分補給、日中の不要不急の外出を避ける、エアコンを適切に利用するなど、基本的な対策を徹底しましょう。
これらの要因から、2026年の夏も油断することなく、厳しい暑さへの備えが不可欠と言えます。
来年の夏も暑いのか2026年の傾向
「来年の夏も暑いのか」という問いに対しては、近年のデータを見る限り「YES」と答えざるを得ません。気象庁のデータによると、日本の夏の平均気温は長期的に上昇を続けており、その上昇率は100年あたりで1.31℃に達しています。
特に2020年代に入ってからは、毎年のように各地で観測史上最高の気温を更新しており、「記録的な猛暑」がもはや特別なことではなくなりつつあります。これは単なる偶然ではなく、地球温暖化という明確な背景が存在します。
2026年の夏が具体的に何度になるかを正確に予測することは困難ですが、これまでの猛暑と同様か、それ以上の暑さになる可能性は十分にあると考えておくべきです。
夏のレジャー計画や農作物の管理、そして何より健康管理において、この暑さの常態化を前提とした対策が求められます。
気温の今後の見通しと長期予測
2026年という短期的な視点だけでなく、より長期的な気温の未来はどうなるのでしょうか。この問いに科学的な知見を提供しているのが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)です。
IPCCの第6次評価報告書によると、人間の活動が温暖化を引き起こしていることは「疑う余地がない」と断定されています。そして、今後の温室効果ガスの排出量に応じて、未来の気温上昇をいくつかのシナリオで予測しています。(参照:気象庁 IPCC第6次評価報告書)
IPCCが示す未来のシナリオ(抜粋)
- 排出量が非常に少ないシナリオ: 今後、世界が協力して大規模な排出削減を行った場合でも、21世紀末には産業革命前と比べて平均気温が1.0~1.8℃上昇する可能性が高い。
- 排出量が非常に多いシナリオ: 現状以上の対策が取られず、排出が増え続けた場合、21世紀末には3.3~5.7℃という破滅的な気温上昇が予測される。
国際社会は、気温上昇を1.5℃に抑える努力目標を掲げていますが、現状はその軌道に乗れていないのが実情です。つまり、私たちがどのような未来を選択するかによって、今後の気温は大きく変わるということです。
この長期的な見通しは、エネルギー政策や社会インフラの整備など、国や企業レベルでの大きな決断を迫るものとなっています。
異常気象は世界の終わりではない?
毎年のように「観測史上初」「数十年に一度」といった言葉を耳にする中で、「異常気象がこのまま続けば、世界の終わりが来るのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
確かに、近年の猛暑、豪雨、大規模な干ばつや森林火災などは、私たちの生活や生態系に深刻な影響を与えています。気象学でいう「異常気象」とは、「30年に1回以下の頻度で発生する現象」と定義されていますが、近年はこの定義に当てはまる現象が頻発しています。
しかし、科学的な視点では「世界の終わり」と直結させるのは正確ではありません。むしろ、これは地球からの「警告」と捉えるべきです。地球システムには、ある限界点を超えると後戻りできなくなる「ティッピングポイント」が存在すると考えられています。
ティッピングポイントとは?
例えば、グリーンランドの氷床の融解やアマゾンの熱帯雨林の枯死などが挙げられます。一度このポイントを超えてしまうと、ドミノ倒しのように連鎖的な環境変化が起こり、人間の手ではコントロールできなくなる可能性があります。こうした事態を避けるために、世界の科学者たちは警鐘を鳴らし続けているのです。
異常気象は、私たちに行動の変化を促す重要なシグナルです。再生可能エネルギーへの転換や、省エネ技術の開発、持続可能な社会システムの構築など、課題解決に向けた取り組みを加速させることで、最悪のシナリオを回避することはまだ可能だと考えられています。
2050年の夏の気温は47度になる?
「2050年の夏には気温が47度になる」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、極端なシナリオの一つとしてメディアなどで取り上げられることがある数字ですが、科学的にはどのように考えられているのでしょうか。
環境省などのシミュレーションによると、温室効果ガスの排出が多く続いた場合、21世紀末の日本では、夏の猛暑日の日数が現在よりも大幅に増加し、一部の地域では最高気温が40℃を大きく超える日が珍しくなくなると予測されています。
47度という具体的な数字が全国どこでも現実になる、と断定することはできません。しかし、現在の埼玉県熊谷市で観測された国内最高気温41.1℃を更新するような、42℃や43℃といった極端な高温が、将来的に発生する可能性は科学的に否定できないのが現状です。
このような未来を現実のものとしないためには、前述のIPCCが示すように、社会全体で温室効果ガスの排出を劇的に削減していく必要があります。2050年の夏の気温は、まさに今を生きる私たちの行動にかかっていると言えます。
2026年冬の気温と夏の気温まとめ
- 2026年の冬はラニーニャ現象の影響で厳冬になる可能性が高い
- 冬の気温は全国的に平年より低くなる傾向が予測される
- 暖冬よりは厳しい寒さへの備えを優先すべきシーズン
- 日本海側では大雪のリスクが増加し警戒が必要
- 関東の降雪は南岸低気圧の動向次第だが例年より雪になりやすい条件
- 寒さのピークは1月下旬から2月上旬で3月には春の兆しが見える見込み
- 2026年の夏も平年より気温が高く猛暑になる可能性が高い
- 夏の暑さはラニーニャ現象後の傾向や2つの高気圧が要因
- 地球温暖化によるベース気温の上昇が猛暑を常態化させている
- 熱中症対策はこれまで以上に徹底する必要がある
- IPCCは人間の活動が温暖化の原因であると断定している
- 今後の気温は温室効果ガスの排出シナリオによって大きく変動する
- 頻発する異常気象は地球からの警告であり行動変革のシグナル
- 2050年に47度という極端な気温は最悪のシナリオで起こりうる
- 未来の気温は現代を生きる私たちの選択と行動に委ねられている


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